「安定期とはいつからいつまでのことをいうのかな…?」
「どのような過ごし方が赤ちゃんに負担がかからずに済むのかな…」
記事の内容
- 安定期の身体の状態がどのようになっていくかわかります
- 妊娠線の予防法や対処法を解説しています
- 安定期のよりよい過ごし方についてご提案しています
つわりのつらい時期もやっと少し落ち着いてきて安定期と言われる時期にやっと突入。
けれど、どのように過ごしたらいいのか、なにを気を付けなければいけないかわからないことも多いと思います。
今回は安定期の時期、過ごし方、気を付けないことなどをご紹介していきます。
妊娠における安定期ってなに?
妊娠初期は流産が起こりやすく、10~11週までは特に気を付けなければいけない時期。
つらいつわりもこの時期に訪れます。12週ごろからつわりも少しずつ落ち着いてきて次第に体調も安定してくることが多く、16週を迎える頃には初期流産の可能性がさらに減ってくるため、16週ごろ~が安定期と言われています。
安定期という言葉は医学用語ではなく、いつからいつまでとはっきりと定義をされていません。
そして安定期=安全ではありません。
言葉に惑わされないように注意しながら日々を過ごしていくようにしましょう。
安定期の身体の状態は
安定期を迎えるころになると、胎盤が完成しホルモンバランスも安定し始めるため、基礎体温が下がり始め、つわりなどが少しずつ落ち着いてくるようになってきます。
かわりにおなかの子どもが大きくなってきて、胎動を感じるようになったり体つきも一目見て妊婦さんとわかるような体型に。
そしてつわりが落ち着いてきた妊婦さんの場合は、体力が回復してきたことにより食欲が増え、一気に体重が増えてしまうのもこの時期の特徴です。
体重が増えすぎてしまうとおなかの子どもに悪影響を与えてしまうリスクが増えてしまうので、1日3食栄養バランスの良い食事を心がける、よく噛んで食べる、体重管理をしっかりと行うなどの対策をしていかないといけません。
そのほかに安定期に入ると様々なことが起こるので、以下にまとめていきます。
1.むくみがひどくなる
安定期を含めた妊娠中期になると、妊娠を維持するためにプロゲステロンが多量に分泌されます。
プロゲステロンは食欲を増やしたり、水分や栄養をため込む作用があるため身体がむくみやすくなってしまいます。
さらにおなかが徐々に大きくなると、大きくなった子宮が足の付け根の血管を圧迫してしまうため、血流の流れが悪くなりさらにむくみやすい状態になってしまいます。
むくみの対処法
①塩分の摂取を控える
塩分を摂りすぎると、塩分濃度を下げようとして、体内に水分を溜め込んでしまいむくみがひどくなってしまいます。
厚生労働省の指針で妊娠中の1日の摂取量の上限は6.5g未満と定められています。
安定期に入ると食欲が増してついつい食べ過ぎてしまうのと同時に塩分の摂取量も増えてしまう傾向があるので気を付けるようにしましょう。
②カリウムを積極的に摂る
カリウムは体内の余分な塩分の排泄を促す作用があり、そのほかに高血圧の予防としても役立つ成分ですが、腎臓機能が低下している場合はうまく排泄できない恐れもあるため医師に相談しましょう。
<カリウムを豊富に含む食品例>
バナナ・メロン・あんず・ブドウ・アボカド・キウイフルーツ・納豆・ほうれんそう・切り干し大根・枝豆
③水分を摂取する
むくみと水分は相性が悪いと思いがちですが、むくみの改善には水分を摂取することが大切です。
血液の循環を良くし、おなかの子どもにも血液を届けるためにも積極的な水分摂取が必要です。
目安としては1日1.5ℓ~2ℓになります。
<おすすめの飲み物>
水・はと麦茶・黒豆茶
④軽い運動やストレッチ
運動を行ってもよいか医師に確認をし、OKが出たら体調がよいときはストレッチや散歩などで身体を動かし、血液やリンパの流れを改善していきましょう。
10分~15分の軽い運動でも十分に効果を発揮します。
2.妊娠線が出てくる
おなかの中の子どもが大きくなるにつれ皮膚が引き延ばされ、スイカの模様のような跡ができてしまうのですが、その線を妊娠線と呼びます。
出始めは赤っぽい色ですが徐々に黒ずんでいき、産後は白くなって目立たなくなるものの、完全に消えることはありません。
妊娠線が最もできやすい時期は28週ころと言われていますが、予防するには安定期に入ってすぐにケアを始めることが効果的です。
妊娠線が出やすい人の特徴
- 体重が増えすぎた
- 乾燥肌
- 双子以上
- 二人目以降
- 高齢出産
- やせ型
妊娠線の予防や対処法
①体重の急激な増加を防ぐ
皮下脂肪が急激に増加すると妊娠線ができやすくなってしまいます。
過度な体重増加は妊娠線だけではなく糖尿病や高血圧、子どもへの影響が表れやすくなるので、体重管理をしっかりとしていきましょう。
以下の表から妊娠前のBMIを算出し、妊娠期間中にどのくらいの増加までなら大丈夫なのかの目安の表を参考に体重管理を行うとよいでしょう。
妊娠前のBMI値 | 週ごとの 推奨体重増加量 | 妊娠中の 合計推奨体重増加量 |
---|---|---|
18.5未満 | 0.3~0.5kg/週 | 9~12kg |
18.5以上25.0未満 | 0.3~0.5kg/週 | 7~12kg |
25.0以上 | 個別対応 | 個別対応 |
②クリームやオイルでスキンケア
妊娠線は乾燥するとできやすいと言われています。
日頃からクリームやオイルを使って保湿をしていき、マッサージをしていきましょう。
3.口腔環境の悪化
妊娠初期のつわりによる嘔吐や食生活の変化などの原因による口腔環境の悪化が起こりやすくなるのもこの時期です。
安定期に入ったら一度、歯の検診に行くことをオススメします。
妊娠後期に差し掛かるとおなかが大きくなり、診察台に座ることがとてもつらくなってしまうことや、産まれてくるお子さまの虫歯リスクを減らすためです。
歯医者に通う際は治療方針や麻酔の有無などの説明もしっかりと受けるようにしてください。
安定期の過ごし方
妊娠初期と違い、安定期に差し掛かるとできることが増え、以前と同じような生活に戻れることが多くなります。
しかしおなかの中には大切な子どもがいて、安定期といえども無理や過度な運動には注意をしなければいけません。
体調が戻ってきたときには身体を動かしたくなったりすると思いますが、一度医師に相談をしてからにしましょう。
1.運動について
妊娠中の運動については以下のような指針があります。
- 心拍数140bpm以下でややきついより以下の運動強度
- 連続運動はやや楽以下の運動強度
- 10時~14時の間が望ましい
- 週2~3回、一度に60分以内
できれば、運動はマタニティヨガなど妊婦さんを対象にしたジャンルの運動をするようにしましょう。
走ることや筋トレなどは転倒の恐れがあることや、仰向けになることで仰臥位低血圧症候群の発症リスクを高めることにもなります。
そしておなかが張ったり気分が少しでも優れなくなった際はすぐに中止して休息できるようにしていきましょう。
2.出産準備を少しずつはじめる
おなかが大きくなってくると少しの動作でも息切れを起こしてしまうなど身体が思うように動かなくなってきてしまいます。
そのようなことのないように今のうちに準備をできるものはしていきましょう。
3.保険の見直しをする
加入している保険の契約内容を見直しておきましょう。
万が一緊急入院や帝王切開の出産になった場合、保証の申請をどのように行えばいいのかイメージができたり、子どもが産まれてきた後のいざという時の備えはしっかりとしておかなくてはいけません。
個人的な意見ですが、保険ってあまりいいイメージがないんですよね。
以前保険を使うことがあったのですが、そのときにはじめて保険の大切さを身に染みて感じました。
保険の見直しをすることによって、これから自分の身になにかあったときに保証の額が変わってきます。
今はzoomなどのオンライン相談ができるので便利な時代になりました。
あのとき見直しておけば…とならないようにしましょう。
4.保育園や保育所のリサーチ
出産後に職場復帰を考えている方は、今から保育園や保育所のリサーチをはじめましょう。どのような手続きが必要なのか、必要書類はどのようなものか、どのあたりの保育園・保育所に入れさせたいかなどを事前に調べておきましょう。
安定期やより良い過ごし方のまとめ
安定期になると少しほっとすることもあると思いますが、安定期=安全な妊娠期間というわけではないことを頭に入れて生活をし、安定期でも流産や切迫早産などが起こる可能性があるので絶対に無理はしないようにしましょう。